「介護DX(デジタル・トランスフォーメーション」とは、介護現場へAIやIOT、ICTといったデジタル技術を取り入れることによって、変革するというものである。
そもそもDXとは、直訳すると「デジタル改革」という意味だ。これをビジネスに当てはめて、企業がデジタル技術を用いることによって、業務のプロセスを改善したり、新しいビジネスモデルを作り出すだけではなく、旧来のシステムや企業の価値観の変革を実現させる、という考え方である。
介護DXが実現すると、どのようなメリットがあるのかというと、次のようなことが考えられる。まず介護施設や事業所を経営する経営者の視点から見る場合だが、それは業務の効率化と人材の確保、人件費の削減が期待できるという点である。現在介護業界は人員不足であり、それは2025年問題の超高齢化社会が来る時には、より深刻化しているだろうと考えられている。これを解消するためには人員の確保ももちろん大切だが、DX化を実現することが効果的と言えるだろう。例えば、ペーパーレス化や自動計算などの機能によって事務的な業務を効率的に進められ、それに割いていた人員を減らすことができる。
次に、実際に介護の現場で働く介護職員からの視点で見てみると、事務的な仕事を補ってもらうことができるという点だ。介護の現場というのは、とても体や頭を使うところである。そこで、タブレットを使って介護記録を残したり、センサーを使って起床や就寝時間など見守りを行うなど、DX化によって手助けしてもらうことで、その間に他の業務を行ったりとよりスムーズに仕事を進めることができる。また時間や精神的な余裕ができることで、質の高い介護につなげることができるだろう。
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